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カズオイシグロの小説あらすじ感想まとめ【2017ノーベル文学賞受賞】

カズオイシグロが2017年のノーベル文学賞を受賞しました。
毎年受賞が噂されていた村上春樹さんはやはり今年も受賞ならずでしたね・・・。

カズオイシグロさんは名前からも分かる通り日本に馴染みのあった小説家だそうです。
5歳まで長崎県に住んでおり、その後イギリスに移住されたそうです。

今回はそんなカズオイシグロさんの小説の感想をランキング形式でまとめてみました。






カズオイシグロの小説感想まとめ【2017ノーベル文学賞受賞】 その1





オススメ度 ★5
「わたしを離さないで」  原題:Never Let Me Go(ハヤカワepi文庫)

2016年にTBS系列で放送された同名ドラマ「わたしを離さないで」の原作小説。綾瀬はるかさんが主演を務め大ヒットが予想されましたが、結果は大コケ。視聴率6.2%で同じ時期に放送されたドラマの中でワースト視聴率を記録してしまいました。

これを聞くと「なんだ、面白くないのか」と思ってしまうかもしれませんが、違います。そもそも小説のストーリーが社会派で骨太の重たいストーリーです。ゴールデンタイムに放送する内容としては少しふさわしくなかったのです。

作品のテーマは「臓器提供」。主人公たちは施設で育てられ、ある日自分たちが提供者であることを知らされます。提供者は臓器を欲しがっている人に自分の臓器を提供し、その後は死んでいく運命。閉鎖空間で育った彼らはそれが「当たり前の事実」として教え込まれます。

逃れられない運命に直面した若者たちがその現実を受け入れていく様子を通して、生きるとは何か、自由とは何か、人生の目的とは何か、人間の尊厳とは何かを考えさせてくれる作品です。読んだあとは心にポッカリと穴ができたような感覚を味わうはず。

文学界の評価も真っ二つに割れていて、カズオイシグロの最高傑作だと評する人もいれば、あまりにも作品のテーマが重たすぎるとして低い評価をする人もいます。両者ともに共通しているのは「この作品がカズオイシグロの代表作である」と言っていること。時間がなくて何冊も読めないという人はこの作品から読み始めるべきです。

総ページが450と長編小説にしては短めなので、休みの前日などまとまった時間を取って一気に読み終えることをオススメします。おそらく読後は誰かと語り合いたい気持を押さえられなくなるでしょう。






カズオイシグロの小説感想まとめ【2017ノーベル文学賞受賞】 その2




オススメ度 ★4
「日の名残り 」  原題:The Remains of the Day(ハヤカワepi文庫)

1993年にジェームズ・アイヴォリー監督によって映画化された小説。

「本物の執事は英国にしか存在しない、他の国で執事と自称している者達は単なる召使だ。」

この作品の主人公はスティーブンスという執事。イギリスに数多く存在している貴族の中でも、貴族中の貴族と呼ばれていたダーリントン卿に仕えていました。ダーリントン卿の元にはイギリスの首相や各国の大使が頻繁に訪れ、政治談義を交わしていました。

国家の重要な決断をするべき立場の人間がこぞってダーリントン卿の元へ相談に来る。そんな立派な主人に仕えていることをスティーブンスは誇りに感じていたのです。主人のためならと自分のすべてを犠牲にして仕えていました。

しばらくすると世界情勢が悪化し、世界大戦が始まりました。ダーリントン卿は些細な事がきっかけとなって失脚してしまいます。かつて貴族中の貴族と評された名声を失い、ついに失意のまま亡くなってしまいました。

生まれてこの方ダーリントン卿に仕えることだけを生きがいにしてきたスティーブンス、主人を失ってどうしてよいのか分からなくなってしまいます。この時初めて自分の人生を振り返る機会を得たのでした。

執事として仕事を完ぺきにこなすことを追求してきた自分。自分に好意を持ってくれた女性からのアプローチも無視してただひたすら主人のために生きてきました。ところがその主人を失った今、自分の手元にはなにも残っていなかったのです。スティーブンスの目から涙がとまりません。

小説としてはこの後スティーブンスが自分の人生を生きようと決意したところで終わっています。スティーブンスの生き方を見ていて感じたのは日本語で言うところの「忠臣」でした。主人のために己のすべてを捧げて奉仕するという考え方が共通しています。

個人的な予想ですが、おそらくカズオイシグロがこの小説を書くに当たっての元ネタは「忠臣蔵」なのではないかなぁ~なんて思っています。個人主義の西洋では誰かのために己を投げ打って尽くすという考え方は一般的ではありませんからね。とにかく、日本人には読みやすい小説なのではないかと思います。


カズオイシグロの小説感想まとめ【2017ノーベル文学賞受賞】 その3




カズオイシグロの作品として自信をもってオススメできるのは上記の2作品です。
まず「わたしを離さないで」、そして「日の名残り 」を読んでみてハマったという人がいれば他の作品も読んで見るとよいでしょう。

簡単に紹介していきます。

オススメ度 ★1
「充たされざる者」  (ハヤカワepi文庫)
視点が一人称、神の視点、他人の頭の中とどんどん動いていき、さらに時間軸もあっちこっちを行ったり来たりします。何度も同じ描写がループし、いったい今何がどうなっているのか読者を混乱に陥れます。一言で言うと異世界を覗いているような感覚。

普通の小説に飽きてしまったかたはチャレンジしてみても良いかもしれませんが、普通の人にはあまりオススメできません。100人中97人が★1で残り3人が★5、そんな小説です。


オススメ度 ★3
「夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 」  (ハヤカワepi文庫)

長編小説が多いカズオイシグロにしては珍しい短編集。といっても、完全に独立した物語ではなく少しずつストーリーが重なって1冊にグラデーションがかかったような小説。共通して根底にあるテーマは「音楽と人生」。一つ一つの話が短く読みやすいです。


オススメ度 ★3
「遠い山なみの光 」  (ハヤカワepi文庫)

カズオイシグロのデビュー作。主人公悦子は長崎出身で現在イギリス在住という設定。カズオイシグロ本人も5歳まで長崎に住んでいましたから、おそらく自伝的小説として書かれたものだと思います。デビュー作特有の荒削り感があり、読み進めるにあたって少し難解かもしれません。


まとめ



日本にゆかりのある人がノーベル賞を受賞すると日本人として誇らしくなりますよね。カズオイシグロには今後も読み応えのある作品を発表し続けて欲しいと思います。

そして気になるのが村上春樹・・・来年こそは受賞するのかな?期待して待ちたいと思います。





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